ソニーのホームページに次のような趣旨が書かれています。(意訳して掲載)
「ソニーはホームページ等で皆様からのアイデア等のご提案を受けることが
ございます。それらの中には、既に社内で研究・開発を行っているアイデアも
ございます。その際に皆様との間で誤解や紛争が生じる可能性もございます。
そういった事態を避けるため、頂いたアイデア等については基本的に一切の
評価等を行わず、全て皆様に返却させて頂きます。またご提案等をお受け
することもご遠慮させて頂いております。」
原文はこちらをご覧ください。 http://www.sony.co.jp/copyright/
なぜソニーはこのような忠告をわざわざ載せているのでしょうか?
答えは簡単で、余計な紛争等を避けるためなのでしょう。
自ら「自分たちはシーズ追求型で生きていく」と宣言しているのです。
(シーズについては「ニーズとシーズ」を見て下さい)
これはある意味、企業としての理想形であり差別化のためには必要な意思です。
なぜなら、顧客の声に全て従うと、差別化ができなくなるからです。
差別化を行い自社の強みを出せないと、企業間競争に勝てないことは周知です。
ではなぜ「顧客の声に耳を傾ける」必要があるのでしょうか?
自分たちの提供したい商品・サービスを生み出すだけでは不十分なのでしょうか。
答えはイエスです。
企業はビジネス・商売をする組織ですから、売れなければ意味がありません。
売れる商品・サービスをつくるためには、顧客の声が必要なのです。
例えば、荷物をたくさん運べる自家用車が欲しいからといって、10tもの荷物を運べる車が必要ですか?例えワンボックスカー程度の大きさでそんな車があったとしても、そこまでの能力は必要ないはずです。つまり、それだけの車を作る技術があったとしても、顧客が必要としないものを売っても儲けにつながらないのです。
ただし、より速く、燃費良く、維持費が安く、安全で快適な車を欲しいとは思います。そういった基本的な要求には耳を傾けるべきなのです。例えば、4人家族の家庭が、2人乗りのスポーツカーを買おうとは思いません。そういった意味での「基本的な要求」です。
基本的な要求に耳を傾け、そこに自社の独自性を追加する、これが差別化です。
顧客は同じ「自動車」を買うにしても、好みによって選べることを期待します。
顧客のライフスタイルを想定し、声に耳を傾け、独自性を追加して差別化する、
これが今の企業に求められる姿ではないでしょうか。

