BSCの結果の因果関係については少し触れましたが、もう少し詳しく書きます。
BSCには4つの視点があり、その結果には下図のような因果関係があります。
図:BSC の結果の因果関係
図の矢印は、上の評価を向上させるために、下の評価を向上させなければならないことを意味しています。それぞれ具体的に見ていきましょう。なお、4つの視点の具体的な指標については、後日書きたいと思います。
<@能力が向上すればプロセス改善につながる>
能力とは通常、従業員(メンバー)の業務遂行能力を意味します。
例えば、工場従業員の作業効率も能力の一つです。
その場合、1分間に3個作れる能力が、5個作れるようになれば能力の向上です。
営業担当者であれば、日報を書く能力、伝票を発行する能力などです。
日報を書くのに1時間費やすのと、10分で済むのでは大違いですね。
これを細かく言うと、文章作成能力や、パソコン操作能力などとなります。
これらが内部プロセスの改善につながっていきます。
工場従業員が1分間に5個作れれば、生産性という数字につながります。
営業担当者が日報を短時間で書ければ、顧客対応時間の向上につながります。
これが@の矢印の意味するところです。
<A能力が向上すれば顧客の評価が上がる>
同様に、例えば営業担当者の製品知識が深まり提案力が上がると顧客満足度が上がります。(顧客は情報収集に余計な時間を使わずに済みますよね。)
製品情報を適切に伝えることで、顧客からの指名買いも増えるかもしれません。
生命保険の外交員でもそうですが、やはり法令知識や商品知識を知っているのと知らないのとでは、顧客の印象が変わります。顧客の質問に対し、即座に適切な回答ができるか、これで顧客の評価は段違いです。
これがAの矢印の意味するところです。
<Bプロセスを改善すれば顧客の評価が上がる>
ここで言うプロセスとは、企業・組織内部でのプロセスのことです。
また、企業・組織が生産・販売する製商品・サービスも図の(2)に含めます。
企業におけるプロセスは、戦略企画・市場調査・研究・開発・生産・販売・サポートなどのプロセスがあります。各プロセスを効率良く回転させること、各プロセスの成果を高めること、全体としてのプロセスに関連性を持たせること、それらが内部プロセスの評価となります。
当然、提供する製商品・サービスが顧客による評価につながります。
低価格、多機能、省スペース、低騒音、高出力、高効率、速い、使いやすい、おいしい、保障が厚い、気持ちいい、などが顧客の評価を高める特徴です。
企業内部のプロセスや製品・サービスを改善し、これらの価値を提供できれば、自ずと顧客からの評価も高まります。
評価が高まると、売上にもつながってきます。
1顧客あたりの注文回数やAランク顧客の数などが向上してきます。
(顧客のランク付けについては、別の機会に解説したいと思います。)
これがBの矢印の意味するところです。
<Cプロセスを改善すれば財務効果が出る>
同様に、プロセスが改善されるとコスト削減という形で財務効果が現れます。
各プロセスの簡略化、省力化、効率化などがコストを下げる要因となります。
基本的に、内部プロセスの視点ではコスト削減を考えます。
売上高の向上は、顧客があってのことですので、顧客の視点で考えます。
また、内部プロセスの改善・確立は株主に対するアピールにもなります。
企業ガバナンスや関係会社との役割分担を明確化できないと、企業経営の資質を疑われ兼ねません。当然、株主からの反響は株価に現れ、時価総額の低下を招き、最悪の場合、買収の危険に晒されることもあります。
これがCの矢印の意味するところです。
<D顧客の評価が上がれば財務効果が出る>
最後に、顧客の評価が上がると売上増大という効果が現れます。
これはBでも述べましたが、顧客の購入頻度が上がったり、一度の購入・受注あたりの金額が上がったりすると、売上が増大します。
これはもちろん顧客からの評価・評判が向上することによる効果です。
これがDの矢印の意味するところです。
以上、今日はBSCの結果の因果関係について書きました。
次回からそれぞれの視点の指標の例を考えたいと思います。
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